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大腸がん

大腸癌とは

大腸癌の多くは大腸ポリープから発生します。特に「腺腫性ポリープ」と呼ばれる良性の腫瘍が、時間の経過とともにがん化することがあります。この過程は「腺腫–癌系列」と呼ばれ、正常な大腸の粘膜が腺腫(良性ポリープ)となり、そこから徐々に異型性(細胞の異常)が強くなって、最終的に悪性の大腸癌に進展すると考えられています。この変化には数年から10年以上かかるため、定期的な内視鏡検査によってポリープを早期に発見・切除することで、大腸癌の予防が可能です。ただし、すべてのポリープががんになるわけではなく、過形成ポリープや炎症性ポリープなどは通常、発がんリスクが低いとされています。

大腸がんのステージ

大腸がんの「進み具合」は、腸の壁のどこまで達しているか(深さ)、近くのリンパ節に広がっているか、離れた臓器に転移があるかで決まり、治療の選択や見通し(生存率)の目安になります。

ステージ0(粘膜内がん)

がんが粘膜の表面にとどまる超早期です。内視鏡での切除(ポリペクトミー、EMR、ESD)で治癒がほぼ期待できます。5年生存率はきわめて高く、ほぼ100%に近い水準です。

ステージI

がんが腸の少し深い層まで達していますが、リンパ節転移はありません。手術で取り切れることが多く、5年生存率は約90%前後です。

ステージII

腸の外側近くまで及ぶ、または隣の臓器に接することがありますが、リンパ節転移はありません。手術が基本で、状況により再発予防の抗がん剤を追加します。5年生存率はおおむね75〜85%です。

ステージIII

近くのリンパ節に広がっています。手術に加えて抗がん剤治療(例:FOLFOX、CAPOX)を行い、再発を減らします。5年生存率は約60〜75%です。

ステージIV

肝臓や肺など離れた臓器に転移があります。全身の薬物療法が中心ですが、転移が限られて切除可能な場合は、手術や焼灼を組み合わせ長期生存を目指すこともあります。全体の5年生存率は15〜20%程度ですが、条件により改善が見込めます。

大腸癌の種類について

大腸ポリープにはいくつかの種類があり、それぞれにがん化のリスクが異なります。特に「腺腫性ポリープ」はがん化の可能性があるため注意が必要ですが、「過形成性ポリープ」や「炎症性ポリープ」は基本的に良性で、がんになるリスクはほとんどありません。また、近年注目されている「鋸歯状ポリープ(特にSSA/P)」は、一部ががん化することがあるため、専門的な判断と経過観察が必要です。つまり、大腸ポリープのすべてががんに進行するわけではなく、種類や大きさ、形、組織学的特徴によってリスクが異なります。そのため、ポリープが見つかった場合は、医師による適切な評価と必要に応じた切除が重要です。
大腸腺腫やSSA/Pは、将来的に大腸癌へ進行する可能性があるため、原則として切除したほうが良いとされています。特に、腺腫の大きさが大きい場合や、細胞の異型性が強い場合は、がん化のリスクが高まるため、内視鏡での切除が推奨されます。内視鏡で安全に切除できる段階で治療することで、大腸癌の予防につながります。

また炎症性ポリープなども大きい場合は出血が続き、貧血をきたす場合があります。そのような場合にも内視鏡で切除し治療します。

大腸がんの転移

転移は、近くのリンパ節に広がる「リンパ行性」、血液に乗って肝臓・肺へ届く「血行性」、お腹の中に散らばる「腹膜播種」などの形で起こります。CTやMRI、必要に応じてPET/CTで全身を評価し、薬物療法を基本に、切除できる転移には手術や焼灼(ラジオ波など)を組み合わせます。

大腸がんの初期症状

大腸がんの初期症状

血便・粘血便 鮮やかな血や暗い血が便に混じることがあります。痔と紛らわしいため、繰り返す場合は内視鏡で確認が必要です。

便通の変化(下痢と便秘を繰り返す)

排便リズムの変化が続くときは注意が必要です。過敏性腸症候群との見分けにも内視鏡が役立ちます。

腹痛・お腹の張り

腸の通り道が狭くなると、差し込む痛みや膨満感が出ます。進むほど症状が増します。

細い便・残便感

便が細くなる、出し切れない感じが続く場合は要注意です。

貧血によるだるさ・息切れ

少量の出血が続くと鉄欠乏性貧血になり、疲れやすさや立ちくらみが出ます。右側結腸がんで起こりやすい所見です。

体重減少・食欲低下

病気が進んでいるサインの一つで、早めの受診が重要です。

大腸がんの原因

年齢と家族歴

年齢とともにリスクは上がり、家族に大腸がんがいると発症しやすくなります。

食生活

赤肉や加工肉の摂りすぎ、食物繊維の不足はリスク上昇と関係します。野菜・果物・全粒穀物の摂取は予防に役立ちます。

喫煙・飲酒・肥満・運動不足・糖尿病

喫煙や多量飲酒、内臓脂肪型肥満、運動不足、糖尿病はリスクを高めます。

前がん病変(腺腫・鋸歯状病変)

放置するとがんの元になり得るため、内視鏡で切除することが予防に直結します。

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)

長い炎症が続くとリスクが上がるため、計画的な内視鏡フォローが必要です。

遺伝性症候群(リンチ症候群・FAP)

専門の遺伝カウンセリングと密なサーベイランスが推奨されます。

大腸がんの検査

便潜血検査(FIT)

便に混じる見えない血液を調べる一次検診です。陽性なら大腸内視鏡へ進みます。

大腸内視鏡検査

大腸全体を直接見て、組織検査やポリープの同時切除ができます。最も確実な検査で、予防にもつながります。

CTコロノグラフィ(大腸CT)

大腸の立体画像で異常を探す方法です。異常が見つかった場合は最終的に内視鏡で確認します。

造影CT・MRI・直腸MRI

がんの広がり(深さや転移)を詳しく調べる画像検査です。直腸がんでは骨盤MRIが標準です。

腫瘍マーカー(CEA・CA19-9)

診断の補助や治療後の経過観察に使いますが、これだけで診断はできません。

病理検査(生検・切除標本)

顕微鏡でがんの確定診断を行い、性質や取り切れているかを評価します。治療方針の決め手になります。

大腸癌になると内視鏡では治療できないの?

大腸癌になった場合でも、がんの進行度によっては内視鏡での切除が可能です。具体的には、がんが粘膜内や粘膜下層の浅い部分にとどまっており、リンパ節転移の可能性が極めて低いと判断される場合に限り、内視鏡的切除が行われます。しかし、がんが筋層に達している、あるいはそれ以上に深く浸潤している場合は、内視鏡では対応できず、通常は外科的手術が必要になります。そのため、早期に発見し、内視鏡で切除できる段階で治療することが非常に重要です。

大腸がんの治療方法

一般的に大腸癌がみつかったときの進行具合に応じた治療方法を記載しています。

内視鏡治療(ポリペクトミー・EMR・ESD)

早期の大腸がんや前がん病変(ポリープ)を、体への負担が少ない方法で切除します。切除した標本を詳しく調べ、取り切れているか(追加治療が必要か)を判断します。多くは短期入院で対応可能です。

外科手術(腹腔鏡・ロボット支援を含む)

がんのある腸の部分と周囲のリンパ節をまとめて取り除く標準治療です。直腸がんでは肛門の機能を守る工夫や、手術前の治療(放射線・抗がん剤)を組み合わせることがあります。全身麻酔が必要な大腸・小腸の手術は高次医療機関で実施し、当院は紹介・術前評価・術後フォローを切れ目なく担当します。

薬物療法(抗がん剤・分子標的薬・免疫療法)

点滴や飲み薬で「がんの増殖を抑える」治療です。目的は大きく3つ(手術後の再発予防、手術前に小さくして取りやすくする、転移・再発のコントロール)で、多くは通院で2〜3週間ごとのサイクルで行います。副作用は吐き気・だるさ・しびれ・口内炎・下痢・脱毛・白血球低下などがありえますが、予防薬や量の調整、スケジュール変更で多くはコントロールできます。最近は「がんの性質」に合わせて効きやすい薬を選ぶ個別化治療が進み、従来の抗がん剤に、がんの増殖の仕組みを狙う薬や免疫の働きを高める薬を組み合わせることがあります。事前に必要な検査(血液・遺伝子関連の検査など)を行い、生活との両立を重視して計画します。働きながら続ける方も多く、体調に合わせて休薬や減量を柔軟に調整します。費用・助成制度や仕事・妊娠の相談等に対応している大学病院も多数存在します。

放射線治療(主に直腸がん)

主に進行したがんの局所を狙って放射線を当てる治療で、直腸がんでは手術前に抗がん剤と組み合わせて行い、再発を減らし肛門の機能を守ることを目指します。効果や副作用を画像・血液で確認しながら進めます。

支援療法と生活サポート

栄養管理、便通・痛み・貧血・しびれ対策、ストーマ(人工肛門)ケア、仕事や生活の相談など、多職種で副作用と日常生活をサポートします。感染対策(発熱時の連絡体制)やワクチンの相談も重要です。

大腸がんの予防

食生活の見直し

野菜・果物・全粒穀物・魚を増やし、赤肉・加工肉・高脂肪食は控えめに。食物繊維を十分にとることが予防につながります。

体重管理と運動

内臓脂肪をためないことが大切です。息が弾む程度の運動と筋力トレーニングを習慣化しましょう。

禁煙・節酒

たばこはリスクを上げます。お酒は控えめにし、多量飲酒は避けましょう。

検診とポリープ切除

便潜血検査を定期的に受け、陽性なら内視鏡へ。ポリープの段階で切除することが最大の予防です。

ハイリスクの見守り

家族歴が強い方や遺伝性症候群、炎症性腸疾患のある方は、専門医の計画に沿って短い間隔で内視鏡フォローを行います。

まとめ

大腸がんは、内視鏡検査による早期発見と適切な治療で、治癒や長期生存が十分に期待できる病気です。出血や便通の変化、貧血などのサインを見逃さず、早めにご相談ください。当院(足立区・西新井大腸肛門科)は、内視鏡での診断・内視鏡治療の調整、肛門疾患の手術に対応し、全身麻酔が必要な大腸・小腸の手術は高次医療機関と連携して最適な治療につなぎます。紹介から術前評価、術後のフォローまで、安心して治療を続けられるよう丁寧にサポートいたします。

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肛門科、消化器科、大腸内視鏡、胃内視鏡、おしりの手術(日帰り/入院)、大腸ポリープ切除(日帰り/入院)、各種検診・健診
院長
久保田 至
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