肛門科
肛門科について
痔の三大疾患として、痔核(いぼ痔)、裂肛(きれ痔)、痔瘻(あな痔)があります。
これらは、がんなどの生命に関わる病気“悪性疾患”とは異なり、“良性疾患”に分類されていますが、日常生活に支障をきたすようであれば、治療が必要となります。
肛門の疾患に関しては、患者様個人個人で症状のでかたや、感じ方はかなり異なります。
まずは、生活指導や軟膏治療等の保存的治療で改善がみられないか判断した上で、手術が最善と判断された方に手術をお受けいただいております。
当院ではあらゆる肛門疾患に対応できる手術室、手術設備を整えております。
入院施設も19床完備しており、手術が必要となった際は、日帰りから入院まで幅広い手術治療に対応することができます。
症状
当院におしりの悩みで受診される方の多くは、排便時に血がでる、痛みがある、肛門から何かが飛び出してくる、腫れている、かゆい等の症状を訴えて受診されます。
これらの症状は複合していることも多く、長期間治療を受けずに持続してからいらっしゃる患者様もいます。
下記に、それぞれの肛門の疾患に関しての詳細や症状について確認することができます。
疾患
痔核
大きく“内”痔核と“外”痔核に分けられ、手術の適応となるのは主に「内痔核」です。
主な症状として、出血、脱出、腫脹、分泌物、痛みなどがあります。
肛門には、肛門のクッションと呼ばれる弾力性のある部位があり、水道のゴムパッキンのように便やガスの漏れを防いでいます。
肛門クッションは網目状に広がった毛細血管や結合組織でできていますが、固い便や強いいきみ等の刺激により、肛門に強い負荷がかかることで腫れたり、うっ血したりします。
内痔核の分類
主な症状 | 主な 治療法 |
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痛みを伴う痔
主な症状 | 主な 治療法 |
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裂肛
固い便の排泄や頻回な下痢等によって、肛門の上皮が裂けることによって生じます。
出血や、時に激しい痛みを伴います。
何度も同じ場所が切れてしまうことで周囲の組織が盛り上がり、「肛門ポリープ」や「見張りイボ」ができてしまうとさらに裂肛の治りがわるくなり、肛門がさらにせまくなっていくことがあります。
痔瘻 肛門周囲膿瘍
直腸と肛門の境目の漏斗状にへこんだ歯状線と呼ばれる部分にある肛門陰窩(こうもんいんか)という部位が、頻回な下痢や軟便などによって傷ができた際に、細菌が侵入すると炎症を起こし、膿んでしまうことがあります。
この状態を肛門周囲膿瘍といいます。
この溜まった膿は、自然に排出されることもありますが、場合によっては切開して排膿しなければならないことがあります。
肛門周囲膿瘍が繰り返されるようになると、細菌の入り込む孔と、そこから膿にいたる道筋、そしてさらにそこから皮膚に至る道筋が出来上がってしまうことがあります。
この状態を痔瘻と呼びます。
痔瘻になってしまうと自然治癒することはほとんどないため、手術による治療をうける必要があります。
長期間放置すると癌が発生することもあるので、痔瘻になってしまった場合は放置せず、医療機関にかかるようにしてください。
肛門周囲湿疹
肛門周囲の皮膚が炎症を起こし、ただれたり、かぶれたりしている状態です。
排便後の拭き過ぎやシャワーなどでの洗い過ぎがよくある原因として挙げられます。
このほか、女性においては膣からの分泌物が付着してしまうことで細菌が繁殖したり、免疫力低下によって肛門の周囲でウィルスが水疱を形成したりする感染症が併発している場合もあります。
その他
他にも、直腸粘膜脱、便失禁や性感染症であるコンジローマなどの多様な疾患、症状があります。
また、肛門の病気は消化器内科でもよく診る便秘や下痢に続いて生じるている場合も多く、当院では肛門だけではなく、おなかの不調、病気についても幅広く対応いたします。
おしりの診察のながれ
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カーテン付きの診察台で診察いたします。
おしりを出す際にはカーテンを閉めて下右記のような体位をお取りください。 - 医師が視診を行い、医療用のゼリーを用い指診、肛門鏡検査等を行います。
所要時間は約1分間です。 - 診察が終わりましたら、こちらでおしりのゼリー等を拭き取ります。
- カーテンを再度閉めますので、お着替えを済ませカーテン付き診察台から出てきて下さい。
病状について、詳細な説明をいたします。